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「オリンピック金メダルと同じくらい大切なことがある」橋本大輝、谷川航の育ての親が語る体操論 (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha

 多くの体操選手を育て、日本体操界の発展に貢献してきた神田コーチは、パリ五輪以降の男子体操王国ニッポンの行く末を案じていた。

「いまの日本体操界には、大学卒業後にセントラルスポーツや徳洲会、コナミスポーツのように体操を続けられる場所があり、それは理想ですが、今後、体操をやれるところがどうなっていくかが心配ですね。企業に所属して体操ができるのはトップ選手だけで、それ以外の選手にはチャンスも与えられない状況になってきているから、なかなか厳しいです。それに加えて、東京五輪が終わってからは、スポンサーが少なくなってきているから、余計にきつくなってしまった感じがあります。

 2028年のロサンゼルス五輪は大変ですよ。アメリカ、イギリスが強いんです。ロシアが出てこなくても、日本の4位もあり得ます。さらに言えば、その次の五輪に向けて、選手をどう育てるかを考えないといけないですね。8年後には選手がいないぞ、となりかねない状況なので、今後は選手強化のやり方を変えていかないといけなくなると思います」
(おわり)

■Profile
神田眞司(かんだしんじ)
1959年2月1日生まれ、千葉県出身。中学1年で体操を始め、習志野市立習志野高校、順天堂大学、同大学大学院を経て、1989年4月から母校・習志野高校の教諭になり、教師生活と同時に体操指導者としての活動もスタート。2006年4月から船橋市立船橋高校の教諭として同校体操部を指導し始め、今年で指導歴36年目を迎える。定年退職後、5年間の再任用教諭も24年3月で終了。現在は市船の技能講師とセントラルスポーツのアドバイザーコーチとして教え子たちを指導する毎日を送っている。23年に3度目となる日本体操協会の優秀指導者賞を受賞している。

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