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生理の課題を伝え続けヒーローズアワード受賞や世界的な広がりも リーダー伊藤華英を突き動かしたのは北京五輪の苦い記憶 (3ページ目)

  • text by Sportiva

【検定がスタート】

 そんなスタッフと協力しながら、これまでさまざまな施策を行なってきましたが、来年2024年から新たに検定を実施することになりました。これは指導者の方から「どうやって勉強したらいいかわからない」という声を多数いただいたのが発端です。「1252公認 女子アスリートコンディショニング エキスパート検定」という名称で、女子アスリートを指導する上で必要な知識を問う検定です。生理の仕組みや、 必要な栄養、 適切な接し方など、スポーツ界における女性特有の課題に対する知識や対策を学び、女子アスリートのパフォーマンス向上に役立つ見識を深めることが目的です。

 医学、教育、プロのトレーナーなどの専門家に監修、ご協力をいただき、最新鋭の学術的、実践的な知見を集結させました。女子アスリートを指導するプロフェッショナルとして身につけるべき高度な専門知識を得られる1級と、女子アスリートを指導する上で必ず知っておくべき基礎知識を得られる2級があります。指導者はもちろん、学生や、女性とともにお仕事をするビジネスマンの方にもきっと役立つはずです。テキストブック(※2024年初頭発売)もありますので、ぜひ一度ご覧になってください。

 私たちは、本当に悩んでいる人に届いてほしいという思いで活動しています。おかげさまで、その思いに賛同して、さまざまな団体や行政、企業の方々などから、一緒に取り組みたいと言っていただいています。活動を進めていくにあたっての課題は、人材不足もそうですが、リアルな話ですと、資金不足ということもあります。今後は私たちの軸がブレないことを前提に、企業とのタイアップをどう進めていくべきかも考えていかなければいけないと思っています。

【Profile】
伊藤華英(いとう・はなえ)
1985年1月18日生まれ、埼玉県出身。元競泳選手。2000年、15歳で日本選手権に出場。2006年に200m背泳ぎで日本新、2008年に100m背泳ぎでも日本新を樹立した。同年の北京五輪に出場し、100m背泳ぎで8位入賞。続くロンドン五輪では自由形の選手として出場し、400mと800mのリレーでともに入賞した。2012年10月に現役を引退。その後、早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科に通い、順天堂大学大学院スポーツ健康科学部博士号を取得した。現、全日本柔道連盟ブランディング戦略推進特別委員会副委員長、日本卓球協会理事。

■「1252公認 女子アスリートコンディショニング エキスパート検定」
全ての女子アスリート指導者はもちろん、保護者やアスリート本人にとっても必要な知識を身につけ、学ぶための検定である『1252公認 女子アスリートコンディショニング エキスパート検定』をスタート。12月5日より第1回受検(2級のみ)の申込受付を開始し、2024年3月に検定を実施する。
https://1252expert.com/

【画像】性的画像で悩む潮田玲子さんら女子アスリートたち

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