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生理の課題を伝え続けヒーローズアワード受賞や世界的な広がりも リーダー伊藤華英を突き動かしたのは北京五輪の苦い記憶 (2ページ目)

  • text by Sportiva

 これらの活動を評価していただき、社会貢献活動に取り組むアスリートを表彰する『HEROs AWARD 2023』を受賞することになりました。12月18日に授賞式が行なわれるのですが、この受賞は素直にうれしいですし、より多くの方に生理の課題について知っていただくいい機会かなと思います。これを機に課題をシェアしていただき、多くのアスリートの方にぜひ参画してほしいなと願っています。

大阪成蹊大学での様子。男子も女子も一緒に生理に関する授業を受けた大阪成蹊大学での様子。男子も女子も一緒に生理に関する授業を受けたこの記事に関連する写真を見る

【自身の経験がきっかけ】

 そもそも私がこのような活動を始めたいと思ったのは、現役時代の経験がきっかけです。北京五輪の時に、十分な知識を持たず、十分な準備もせずに、ぶっつけ本番のような状態で中用量ピルを服用しました。その副反応が多くの影響を及ぼしました。月経コンディションを含むさまざまな要因が重なり、思うような結果を出ことができませんでした。

 中用量ピルを服用したことが悪いのではなく、知識がなくて言われたままの対処しかしなかったのが原因でした。だから今の選手たちには正しい知識を持っていただき、自身で選択をしてもらいたい。また、より充実した競技人生を送ってほしいなという思いがあります。

 この思いは、「絶対に社会を変えてやるんだ」とか「曲がったものをまっすぐにしたい」という強い正義感や使命感というよりも、生理の課題については変えていける余地があるので、そこにアプローチしていきたいという淡々としたストレートな思いです。「1252プロジェクト」にはたくさんのスタッフがいますし、みんなそれぞれの立場でいろんな思いを持って活動していますので、それぞれの形で広めていきながらも、気持ちを合わせていけたらいいかなと思っています。

 活動をするにあたって、私たちはとにかく迅速に行なうことを心掛けていて、やれることから早めにやっています。行動は早いほうです。自分のことは失敗してもいいですが、組織や団体を進める時には、判断を鈍らせないことに集中していますね。

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