2児の母、本橋麻里がママアスリートとしての日々を語る「子育てがカーリングの役に立っているんです」 (4ページ目)

  • text by Sportiva

――相手を変えるのは難しいとなれば、自分が変わりながら対応しないといけないですよね。

「それに気づいた時はハッとしましたね。私ができていなかったのはこれかって思いました。自分の欲を捨てて、最優先に『子ども』が来ると、見えてくるものがたくさんありました。

自分の子どもはもちろん、育成チームの若い子たちも子どもと思って接していますが、言いづらそうにしている子とか、逆にテンションが上がりすぎちゃってる子とか、その行動には、それぞれみんな理由があって、そこをちゃんと知ろうって思えるようになりました。そうするとこっちのアイデアも増えて、そんなにイライラすることもなくなって、生きやすくなりましたね」

――自分が大人になったと言ったら簡単な言葉になってしまいますが。

「でも、子どもに大人にさせてもらってるっていうのは本当にあります。パパ、ママ1年目とか2年目とか言いますが、本当にそのとおりだと思います」

――お子さんたちはカーリングをされているんですか?

「全然(笑)。長男は今バスケットにハマってミニバスをやっていて、次男はそこについて行ってボール遊びをしているような感じです。カーリングは、やりたくなったらやればいいんじゃない?ぐらいですね。自分で好きなことを見つけてほしかったので、バスケットをやりたいって言ってくれてちょっとほっとしました。

 正直、最初は『大丈夫?続けられるの?』と言っていたんですが、息子が私に『カーリングやめて』って一度も言ったことがないと気づいて『これはフェアじゃないな』と。今は楽しそうにやっているのでよかったなと思っています」

Profile
本橋麻里(もとはし まり)
1986年6月10日生まれ。北海道・常呂町(現・北見市)出身。
12歳からカーリングを本格的に始め、17歳で日本代表に選出され、6回出場した世界選手権では、2016年に銀メダルを獲得し、3回出場したオリンピックでは、2018年平昌大会で銅メダルを獲得。その後、ロコ・ソラーレを一般社団法人化し、代表理事を務める一方、選手としても競技を続けている。2012年に結婚、2015年に第1子となる男児を出産。2020年に第2子男児を出産している。

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