2児の母、本橋麻里がママアスリートとしての日々を語る「子育てがカーリングの役に立っているんです」 (3ページ目)

  • text by Sportiva

【子育てをカーリングに生かす】

――2020年には第2子も誕生して競技にも復帰され、さらに忙しい日々だと思いますが、どんなスケジュールで動いていますか?

「めちゃめちゃですよ(笑)。子どものスケジュールが中心なので、仕事はめちゃめちゃなところに対応するっていう勝負の毎日です。朝5時に起きて家事をやって、パパに手伝ってもらいながら子どもを学校と保育園に送って、なるべく朝にトレーニングを入れています。もちろん仕事が入ればそれが優先です。あとは、午後から夕方に育成チームと氷に乗っているので、スキマ時間で1回お家に帰って、ご飯の準備をしてまた出ていくみたいな感じです。子供たちのお迎えに行って、夜ご飯からお風呂、寝かしつけまでやって、夜もスキマ時間で片付けしたり掃除したりとかしています」

――自分の時間はほぼないですね。

「だからこそ、車の移動時間に考えをまとめたり、『ここの時間で何を考えて、決める』とか、時間を考えて動くようになりました。子どもといる時間に仕事の電話がかかってきて、仕事モードになっちゃうと子どもに怒られるので、やめようって気をつけたり。そうすると時間の使い方がうまくなって、メリハリが出てきました」

――カーリングの経験が子育てに役立つことはありますか?

「まあ多少?(笑)。逆に子育てが、カーリングの役に立っているんですよね。今は育成をしていかなければいけない立場でもあるので、育成も子育ても一緒だと感じています。育成に大切なことを気づかせてくれるのって子どもといる時間なんです」

――例えばどんなことがありますか?

「競技をやっているとリスク管理とかもするんですけど、子育てってリスク管理している場合じゃないくらいトラブルだらけで、私が遠征や合宿に行くっていう日に子どもの具合が悪くなったり。親の気持ちを察するんでしょうね。こっちが緊張しすぎると子どもにも伝わるので、平常心を意識したりします。

 あとは、子育てってこんなにマルチタスクだったんだって思いますし、柔軟性も求められるんですよね。相手を変えるんじゃなくて、とにかく自分が変化していかないといけない柔軟性ですね。マルチタスクをこなす力と柔軟性って、カーリングでもすごく大事な2つの要素で、お仕事でも重要な2つなのかなと思います」

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