池江璃花子は「泳ぎも思考法も素晴らしい」。伊藤華英がスポーツをするすべての女性アスリートに伝えたいこと (2ページ目)
成田実生選手には「未来を感じる」
そのほかの女子選手のなかで、注目を集めているのが、高校1年生(15歳)の成田実生選手です。先の日本選手権で、200m背泳ぎで2分10秒45の自己ベストで初優勝しました。まだタイム的には遅くて、2分5秒台や6秒台を出していかないと世界では戦っていけませんが、彼女が優勝したことについては未来を感じました。
本来彼女は個人メドレーの選手で、日本選手権では200m個人メドレーで大橋悠依選手に次ぐ2位となり、400m個人メドレーでも決勝に進んで3位に入っています。背泳ぎはもちろん、平泳ぎもすごく速いので、ここから来年にかけてどのくらいタイムが伸びるのか楽しみです。
今後、彼女が順調に成長していけるように、コーチ陣も慎重にサポートをしていて、取材を制限したりするなど、メンタル面での配慮も行なっています。15~16歳になると、自分で考えてトレーニングを行なう年齢になってくるので、コーチとの関係性も重要になってくるでしょう。個人的な印象にはなりますが、成田選手は度胸のありそうな顔つきですし、練習に真面目に取り組めるタイプだと感じていますので、コンディションをしっかり整えていけば、間違いなく伸びてくると思いますね。
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月経周期はチェックしよう
それから、成田選手のような年齢は成長期にあたります。この期間の女性には、とくに知っておいてほしいことなのですが、月経の課題が出てくるかもしれません。一般的に、日本人の初経の平均年齢は12歳です。初経がきて2~3年は月経周期が安定しないと言われていて、それ以降、年齢とともに悩みが高まってくる傾向にあります。
これは成長期のアスリートだけでなく、スポーツをするすべての女性アスリートに伝えたいことなのですが、月経の周期はできる限りチェックしてほしいと思っています。先日、大学で講義を行なった際に、約半分の生徒が月経の周期について「何もチェックしていない」と言っていました。理由は「面倒くさい」「だいたいわかる」というものでした。
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