カーリング女子日本代表 ロコ・ソラーレの強さとは? 市川美余が各選手のすごさを徹底解説 (4ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・構成 text by Takeda Soichiro
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

――そんな市川さんと比べて、吉田知選手の藤澤選手とのコミュニケーションの取り方はどうご覧になっていますか。

「正直、比べてほしくないほど、私より知那美選手のほうが圧倒的に(藤澤選手と)うまく接していると思います。知那美選手は三姉妹の真ん中で、お姉さん気質がありまよね。その分、3人兄姉の末っ子の藤澤選手とマッチしている気がします。スキップが弱気になりそうな場面では、必ず知那美選手が藤澤選手の背中を押すような言葉をしっかりとかけています。それは、試合を見ていてもよくわかります」

――吉田知選手は鈴木選手同様、テイクのうまい選手ですが、市川さんが注目しているショットはありますか。

「ランバックです。その精度が特に高いですよね」

――ガードストーンを撃って、ハウスの中を狙っていく高難度のショットですね。

「あくまでも私のイメージですけど、常呂町の選手というのは小さい頃からみんなテイクがうまいんですよ。当てどころをしっかり理解しているのは、リーグ戦が盛んで、そこで実戦的なショットを学ぶからかもしれません」

――吉田知選手もそのひとり。

「ショット率も安定していますし、彼女はいわゆる"持ってる"選手なので、(彼女が)ここぞというところのキーショットを決めると、チームのリズムもどんどん上向きになっていきます。彼女は"氷上のムードメーカー"的な役割も果たしていますから。(五輪でも)ランバックが決まれば、チャンスが拡大していくのではないでしょうか」

(つづく)

この記事に関連する写真を見る市川美余(いちかわ・みよ)
1989年6月28日生まれ。長野県軽井沢町出身。7歳でカーリングをはじめ、2005年に日本ジュニア選手権で優勝。世代を代表するカーラーとなって、2008年に中部電力に入社。スキップの藤澤五月(現ロコ・ソラーレ)らとともに日本選手権4連覇(2011年~2014年)を達成する。2014年に現役を引退。現在は二児の母でありながら解説者として活動している。趣味は料理で、よく作るのは和食とイタリアン
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