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スピードスケート・髙木美帆の強さの理由。世界記録にも余韻にひたらず、「これができたらカッコいいなと思えることを続けたい」 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 だが次の北京五輪は、「これまでの3シーズンでいろいろなものを積み上げてきて、自分のスケートも少しずつでき上がってきた」という感覚を持って臨む大会。気負いというよりは、「それを全部ぶつけてみたい」と思うだけだ。

 髙木の出場種目は、1000mと1500m、3000m、チームパシュートの4種目になるだろう。その中でも1000mと1500mは、この3シーズンで興味を持ち、手ごたえを感じている種目だ。以前からこの2種目には、「自分がもっとも全力を出し切ることができるペース配分がある」と、それを追求する楽しさを話していた。

「最初からほぼ全力だけど、それでも全力を出しきらないバランスがあるというか。そういう自分の極限ラインで滑るというのは、多分誰にもわらないかなという気もするけど、その極限を出してみたいという感じです」

 それが少しずつ自分の体や頭の中に身についてきたからこそ出せた、この大会の2回目の1分11秒台であり、1分49秒台なのだ。1000mの1分11秒台はこれまで4人が出しているが、2回目は髙木のみ。また1500mの1分49秒台も、2番手が1分50秒32で彼女しか知らない世界なのだ。

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