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スピードスケート・髙木美帆の強さの理由。世界記録にも余韻にひたらず、「これができたらカッコいいなと思えることを続けたい」 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by USA TODAY Sports/Reuters/AFLO

 日本スケート連盟の選考基準で、ここまでの3戦の結果で12月末の代表選考会の前に北京五輪代表を確実にしている髙木。チームパシュートの金メダルと、個人の銀と銅メダルを獲得した2018年平昌五輪以降の活躍を見れば当然だろう。

 W杯で安定した成績を残し続けただけではなく、平昌五輪後の2018年世界オールラウンドスピードスケート選手権では、男女を通じて日本人初優勝。さらに2019年には、世界オールラウンド選手権と世界スプリント選手権総合でともに2位になり、2007年のシンディー・クラッセン(カナダ)以来の同一シーズンのダブル表彰台を果たし、2020年には専門種目ではない500mも2回行なわれる世界スプリントで優勝と、強さを確実なものにしてきた。

 そして昨季は新型コロナウイルス蔓延の影響から国際大会にはまったく出場できなかったが、オランダで開催された世界距離別選手権と同時期の2月11日から国内で行なわれた長野選抜では、1000mと1500m、3000mで国内最高記録をマーク。そのうち1000mと1500mは、世界距離別の優勝タイムを大きく上回って手ごたえを得ていた。

 彼女にとって北京大会は3度目の五輪となる。中学3年で出た2010年バンクーバー五輪は、初めてのシニア世界大会で、刺激を受けるだけだった。2014年ソチ五輪は落選で、五輪に対する思いの強さや大きさを改めて考えるようになった。2018年平昌五輪はナショナルチームが組織され、オランダ人のヨハン・デビットがヘッドコーチに就任した新たな環境で迎えた。「ヨハンが来てからはタイムや順位がどんどんよくなったので、どこまでいけるかという感じで、ずっと走り続けていた感じがある五輪だった」と振り返る。

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