メダルダッシュで「アリガトウ」? 世界各国は東京五輪をこう見ていた (2ページ目)
さらにそのあとの男子4×100メートルリレーの金メダルは、ユーロ2020に続いて、イギリス(イングランド)を破っての勝利となった。ユーロの決勝について、いろいろといちゃもんをつけてきたイングランド(10万人が再試合の要請に署名したという)をまた叩きのめしての金メダルに、イタリア人の多くが拍手喝采を送った。
「イギリスは女王自身が2世(セカンド)なんだから2位(セカンド)でしょうがないのさ」などなど。内容はどうあれ、やたらとSNSが盛り上がったのも、皆が五輪に熱狂していた何よりの証拠である。
イタリアは新型コロナの流行で大きな犠牲を払った国だ。これまでに多くの人々が亡くなった。日々、東京から届くメダルのニュースは、イタリアという国に再び自信と希望をもたらしてくれた。
「我らの人生最高の五輪」
東京五輪がイタリアに贈ってくれたものだ。異例の状況下での開催となり、日本はいろいろと大変だったと思う。しかしイタリア人はこの五輪に本当に救われた。開催してくれた日本に「アリガトウ」と、誰もが伝えたいと思っている。
ブラジルは今、東京五輪に対してのサウダージの中にある
リカルド・セティオン(ブラジル):ライター
五輪の歴史の中でも、今回の東京大会は特別な存在としてその名を残すだろう。コロナ禍でのイレギュラーな大会で、観客もなく、練習も移動の自由も大きく制限された。開幕前、もしかしたらとんでもない大会になるのではないかと、私は心配していた。
しかし、日本で戦ったブラジルの選手、コーチ、取材陣にいたるまで、誰ひとり、この大会を批判する者はいなかった。それどころか「決して忘れられない思い出になった」「日本人の対応は本当にすばらしかった」という称賛の声ばかりが聞かれた。
ブラジルは東京で21ものメダルを獲得した。なんと前回の自国開催のリオ五輪での19を上回る数である。メダルランキングでは世界12位に入り、南米では第一位である。誰もが熱狂し、朝の3時や午前中の早い時間の競技でも、人々はテレビにかじりつき、テレビ視聴率は過去3年で最高の数字を叩き出した。
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