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激戦必至の秋場所。錣山親方の本命は
ようやく本領を発揮し始めた正代 (3ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 若手に目を転じれば、先場所新入幕を果たした21歳の琴勝峰がいいですね。春場所の際に、期待の若手力士として名前を挙げた、同じ部屋(佐渡ヶ嶽部屋)の琴ノ若(現在、十両)の2年後輩。身長191cm、体重156kgと伸びやかな体つきをしています。

 先場所では、初日から5連勝。最終的に8勝7敗と勝ち越しました。佐渡ヶ嶽部屋には、ベテランの琴奨菊、琴恵光がいて、十両にも前述の琴ノ若、琴勇輝が控えており、関取同士の稽古も十分にできていると思います。今場所も先場所以上の活躍を期待したいですね。

 今年28歳と、年齢的に若くはありませんが、今場所新入幕を果たした翔猿(とびざる)も面白い存在です。身長175cm、体重131cmと小柄ですが、キビキビとした相撲で、幕内前半の土俵を盛り上げています。

 実兄は、十両の英乃海。史上11組目の「兄弟幕内力士」としても話題となっています。私と次兄(元関脇・逆鉾。元井筒親方)の場合もそうでしたが、兄弟ながら、相撲がまったく違うというのも興味深いところです。

 小兵で人気の炎鵬もそうですが、小さい力士が大きな力士を破ると、お客様も喜んでくれます。翔猿にも大暴れしてもらって、場所を一段と活気づけてほしいと思います。

 最後になりましたが、七月場所では、私の弟子である阿炎の不適切な行動で、相撲協会および、ファンの皆様には多大なご迷惑をおかけいたしました。師弟ともども処分を真摯に受け止め、深く反省しております。この場を借りて、あらためてお詫び申し上げます。

photo by Kai Keijirophoto by Kai Keijiro錣山(しころやま)親方
元関脇・寺尾。1963年2月2日生まれ。鹿児島県出身。現役時代は得意の突っ張りなどで活躍。相撲界屈指の甘いマスクと引き締まった筋肉質の体つきで、女性ファンからの人気も高かった。2002年9月場所限りで引退。引退後は年寄・錣山を襲名し、井筒部屋の部屋付き親方を経て、2004年1月に錣山部屋を創設した。現在は後進の育成に日々力を注いでいる。

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