2020.09.16

激戦必至の秋場所。錣山親方の本命は
ようやく本領を発揮し始めた正代

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

元寺尾・錣山親方の『鉄人』解説
~2020年9月場所編

元関脇・寺尾こと錣山(しころやま)親方が、本場所の見どころや話題の力士について分析する隔月連載。今回は、9月13日から両国国技館で開催されている大相撲秋場所(9月場所)について。七月場所同様、激戦が予想されるこの場所の注目力士をうかがった――。

◆魁聖が憧れていた力士とは?>>

 大相撲秋場所が9月13日から始まりました。7月、両国国技館で行なわれた七月場所に引き続き、来場者数を従来の4分1に制限し、開場時間も13時からにするなど、新型コロナウイルス感染拡大防止策をとっての開催となっています。

 場所前には相撲協会員を集めて、新型コロウイルス感染予防対策のガイドライン確認を含めた講習会を開催。あらためて感染対策を徹底し、本場所開催に向けて、協会員一丸となって臨む決意を固めました。

七月場所で復活優勝を遂げた照ノ富士 さて、先の七月場所では、私が「注目力士」として名前を挙げた再入幕の照ノ富士が、見事な復活優勝を遂げました。

 元大関の照ノ富士。ヒザの負傷や内臓疾患などで、一時は序二段まで番付を下げることになりました。照ノ富士本人は、大関を陥落した時点で「引退したい」と、師匠(伊勢ヶ濱親方。元横綱・旭富士)に訴えたそうですが、「まずは体を治療してから」と師匠に慰留されて、引退を思い止まりました。

 その後、自力で歩行できないほどの時期があったと聞いていますから、治療やリハビリにおける苦労は相当なものだったでしょう。それでも、懸命なリハビリと地道な稽古が実を結んで、徐々に番付が上昇。今年初場所(1月場所)では関取(十両)に復帰して、七月場所では幕内まで戻ってきました。そこまでの過程は、まさに本人の努力の賜物でしかありません。

 東の前頭筆頭となった今場所は、初日から大関・貴景勝と対戦。押し出しで敗れてしまいましたが、これは貴景勝が、腰高な照ノ富士のような力士を得意としているから。気持ちを切り替えて、今後の上位陣との対戦に臨んでほしいです。再び上位争いに加わるには、そこで、どれだけ成績が残せるかがポイントになってくるでしょう。