東京五輪、金メダル最有力の女子選手が「家トレ」で太もも大幅アップ
「世界選手権を終えて3月3日に帰国したあと5日間ほどオフを取り、再び自転車に乗り始めました。その頃に『東京五輪延期が検討されている』という報道が多くなり始めました。延期について議論されていた頃が一番つらい時期でした。(梶原悠未)」
日本の自転車競技界には、世界が注目する若き逸材がいる。
今年2月の世界選手権で優勝し、世界のトップに躍り出た梶原悠未選手 photo by AFP/AFLO 今年2月28日(現地時間)、ドイツ・ベルリンで開催された自転車のトラック世界選手権オムニアム部門(1日で4種目を行ない、その成績をポイントに置き換えて順位を決定。「スピード」「パワー」「持久力」「戦術」などすべてが求められ「トラック競技の花形」とも呼ばれる)で、梶原悠未(かじはら ゆうみ・23歳/筑波大大学院)は、日本女子選手として初の金メダル獲得という偉業を達成。世界選手権で優勝した者だけが1年間、着用が許される虹色のジャージ、「マイヨ・アルカンシェル」を手にした。
梶原は、東京五輪日本代表の座を決定づけたばかりか、一躍、金メダル最有力候補となり、メディアでも紹介されるようになった。ところがそんな矢先にコロナ渦で東京五輪の延期が決定し、夢の舞台は思わぬ形で遠のいてしまった。
緊急事態宣言が発令されたことで、思うようなトレーニングが積めない環境のなか、23歳の若き世界女王はどのように過ごしているのか。梶原は、『1年間、強くなるための時間ができました』と話し、今は気持ちを切り替えて、拠点を置く静岡県伊豆の国市で、新型コロナウイルスの感染予防に最善の注意を払い、前向きにトレーニングを続けている。そんな梶原の近況が知りたいと思い取材を申し込むと、快くオンラインインタビューに応じてくれた。
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