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1年後は桃田賢斗も安泰ではない。
東京五輪での勢力図を占う (2ページ目)

  • 平野貴也●文 text by Hirano Takaya
  • photo by kyodo news

 そんななかでも、選手や関係者は、1年後に五輪が開催されることと、それ以前に試合を行なえる日が来ることを信じて進んでいくしかない。五輪の延期が決まった時、「桃田にとっては、よかったんじゃないですか」という声を何度か聞いた。男子シングルスで18年秋から世界ランク1位をキープし、世界選手権を2連覇している桃田賢斗(NTT東日本)は、日本勢で全競技を通じて金メダル獲得の可能性が高いと見られ、大きな期待を受けている。

 しかし、今年1月にマレーシアマスターズに優勝した直後、当地で交通事故に遭って負傷。一度は軽傷と診断されたが、2月に右目の眼窩底(がんかてい)骨折が判明して手術。復帰が遅れる見込みとなり、今夏までの完全復帰が心配されていた。

 リハビリ期間に余裕ができ、調整期間が長くなったことは確かだ。よりコンディションが整った状態で、桃田が五輪の舞台に立てる可能性は高まったと言えるのかもしれない。しかし、それが金メダル獲得の確率アップに直結するかというと、それほど簡単な話ではないように思う。

 たとえば、ライバルの一人である石宇奇(シー・ユーチ/中国)も似たような状況にある。石宇奇は、16年リオデジャネイロ五輪後に台頭した中国の新エース。桃田には2勝4敗と負け越しているが、直近となる19年5月の男女混合国別対抗戦スディルマンカップ決勝戦では、桃田を破って日本の優勝を阻止している。

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