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1年後は桃田賢斗も安泰ではない。
東京五輪での勢力図を占う (3ページ目)

  • 平野貴也●文 text by Hirano Takaya
  • photo by kyodo news

 日本代表で男子シングルスを担当する中西洋介コーチも「最大のライバルであるのは、間違いない」と認めている強敵だ。しかし、19年7月のインドネシアオープンで左足首を負傷。同年9月に1試合だけ行なったあと、11月から戦線に復帰したが、トップフォームに戻らず苦しんでいる。

 3月の全英オープンは、ベスト8で敗退。試合後に「当初、完治に550日かかると言われたが、まだ8カ月(約240日)しか経っていない」と話したとおり、いまだ本調子には程遠いフットワークだった。その石宇奇は、21年まで五輪が延期されたため五輪前に完治できることになり、強行出場でランキングやシードを上げる必要もひとまずはなくなった。

 つまり、五輪の延期がプラスに働くかもしれないと言われるのは、桃田だけではないのだ。また今回のような五輪の延長は、実力を大きく伸ばせる可能性がある年齢の若い選手には有利に働くと見られ、桃田がもっとも苦手とするタイプで毎回激戦を繰り広げているアンソニー・シニスカ・ギンティン(インドネシア)のように、桃田よりも年下の選手が台頭してくることも考えられる。

 ただし、今回はかなり特殊な状況だ。そもそも、一般的な時間経過に対する予測が役に立つかどうかも疑わなければならない。

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