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強い日本にうれしい悲鳴。
バド女子ダブルスの五輪出場枠争いが熾烈だ (2ページ目)

  • 平野貴也●取材・文 text by Hirano Takaya
  • photo by Getty Images

 世界ランク2位は、福島由紀、廣田彩花組(アメリカンベイプ岐阜)。昨年8月から今年4月まで長く1位に君臨していたペアだ。福島が26歳、廣田が24歳。勢いと経験を兼ね備えており、世界選手権は2大会連続の銀メダルでビッグタイトルは手にしていないが、成績には安定感がある。

福島由紀(右)・廣田彩花ペアは、安定感のあるプレーが特徴だ福島由紀(右)・廣田彩花ペアは、安定感のあるプレーが特徴だ 相手の強打を2人で力強く返す、強固な守備力が特徴。長時間の打ち合いも粘り強く制する。横並びの守備隊形から廣田が思い切ってネット前に出て攻撃に転じるパターンが得意で、福島のコートカバー力も光る。福島は「一戦一戦臨むことを意識している。1試合でベストのプレーができれば、次につながる。ポイントは、特に意識していない」と五輪レースのプレッシャーを意識せず、一戦必勝の姿勢を貫く構えを示した。

 世界ランク3位が、2016年リオデジャネイロ五輪で日本に初の金メダルをもたらした髙橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)。後衛の髙橋が29歳、前衛の松友が27歳でベテランの領域に入りつつあるが、相手のタイプに関わらず、試合の流れの中で巧みに攻略する対応力、連係力は比類がない。

 髙橋は「2人のレシーブのレパートリーが増えてきた感じがあるので、守備から攻撃に持って行けるようになったし(守備で)崩れなくなってきた」と手応えを示す。経験値も大きく「出場権を取りたいという気持ちでやっていたら、連覇なんて無理だと思う」(髙橋)と、あくまで五輪連覇に照準を合わせている。

 3組を筆頭とした日本代表最大2枠の争いは、今夏からの2019年下半期に激しさを増す。8月に世界選手権が行なわれるだけでなく、年間3大会しかないBWF(国際バドミントン連盟)ワールドツアー最高ランクのスーパー1000が2大会(7月にインドネシア、9月に中国で開催)、次点ランクで年間5大会のスーパー750が4大会(7月に日本、10月にデンマークとフランス、11月に中国で開催)と高いポイントが設定された大会が続くからだ。

 7月16日開幕のインドネシアオープン(スーパー1000)、23日開幕のダイハツ・ヨネックスジャパンオープン(スーパー750)、30日開幕のタイオープン(スーパー500)といった7月の3連戦を経て、8月19日開幕の世界選手権に向けた調整に入る。現在の五輪レースのポイントは、福島、廣田組が21752点で1位。髙橋、松友組が20302点で2位、松本、永原組は18083点で4位につけているが、夏だけでも大きく入れ替わる可能性がある。

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