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新城幸也が激闘のツールを語る。
「今年は僕が勝つ大会ではなかった」 (2ページ目)

  • 山口和幸●取材・文・撮影 text & photo by Yamaguchi Kazuyuki

「世界で多くの人が観戦して楽しんでいる自転車レースにおいて、国家の名前を冠したチームを運営して主要レースを走ることによって、世界におけるバーレーンの役割やイメージを大きく向上させる」ことが結成の狙い。豊富な資金力で最高ランク「UCIワールドチーム」への登録を実現させ、ツール・ド・フランスにも自動的に初出場を決めていた。

 ところが大会初日、チームに思わぬ事態が生じた。チームのエース格で上りに強く、総合成績の上位を狙っていたスペインのヨン・イサギレが、第1ステージでまさかの負傷リタイアとなったからだ。

「春から今回の出場メンバーで常にレースに出場してきて、気心が知れていたので楽しみだったが、唯一勝負できるイサギレがいきなりいなくなってしまったので目標を失ってしまった」と、新城はこれまでにない状況に戸惑いを隠しきれなかった。

 リーダー不在のレースはプレッシャーがなくなった分、成績が出しにくくなった。エースのために全力で戦うつもりだったため、第2週を終えても体力に余裕はある。自らのためにステージ優勝を目指して連日のようにアタックしたい気持ちもあった。だが、今大会は厳しい山岳か、まったくの平坦かがはっきりとしていて、新城がもっとも得意とするコース状況に恵まれない。

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