2014.04.21

【自転車】片山右京「F1、登山……。
僕が見つけた、次なる夢」

  • 西村章●構成・文 text by Nishimura Akira五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

【自転車ロードレース・用語説明ページ】

☆グランツールとは?☆
 ヨーロッパで開催される自転車のプロロードレースのうち、5月にイタリア全土で行なわれる「ジロ・デ・イタリア」、7月にフランスと周辺国を舞台に開催される「ツール・ド・フランス」、そして8月下旬から9月にかけてスペインで行なわれる「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の3つのステージレースの総称。「3大ツール」とも呼ばれる。

☆UCIツアーの仕組み☆
 プロ競技としての自転車ロードレースは「国際自転車競技連合(UCI)」が統括しており、そのUCIの傘下に各国の自転車団体が所属している。日本では、「日本自転車競技連盟(JCF)」がそれに該当する。UCIはグランツールやクラシックレースなど格式の高いレースを束ね、「UCIワールドツアー」として年間のシリーズ戦を組織している。
 UCIワールドツアーの下には、UCIヨーロッパツアー、UCIアフリカツアー、UCIアジアツアー、UCIオセアニアツアー、UCIアメリカツアーと、大陸(コンチネンタル)ごとに区分されるレース群がある。

☆チームカテゴリーの違い☆
 世界最高のレースで構成されるUCIワールドツアーを戦うのは、「プロツアーチーム(2015年よりワールドチームに名称変更)」。プロツアーチームはUCIのルールによって、「競技性(sporting)」「職業倫理(ethical)」「財務(financial)」「運営(administrative)」の4つの観点で厳格な審査基準を満たした18チームに対して、ライセンスが発給されている。プロツアーチームはUCIワールドツアーへの参戦義務を有しており、自転車ロードレースのスーパースターたちは、これら18あるプロツアーチームのいずれかに所属している。
 UCIワールドツアーの下に位置づけされる各コンチネンタルツアーを戦うのは、プロツアーチームよりも格下の「プロコンチネンタルチーム」や、「コンチネンタルチーム」。2014年、プロコンチネンタルチームは世界に17チーム、コンチネンタルチームは175チームある。TeamUKYOはコンチネンタルチームという分類に属し、UCIアジアツアーおよび日本国内レースを主戦場としている。

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☆レースの等級表記の見方☆
 レース名と一緒に表記されている数字は、レースの種別の違いを表している。1日でレースを終えるワンデーレースは[1]、複数日かけて争われるステージレースは[2]と数字で表記する。
 また、これらの数字に、レースのグレードを組み合わせることによって、そのレースがどんな種類で、どのレベルなのかを示している。各コンチネンタルツアーのレースは、そのレベルによって、HC(超級)、クラス1、クラス2に分類されている。
 日本のレースで例を挙げるならば、数日間に渡るステージレースでUCIアジアツアーのクラス1に分類されているツアー・オブ・ジャパンは[2.1]、1日だけで勝負を決するワンデーレースでアジアツアーの超級クラスに属するジャパンカップは[1.HC]と表記される。

☆チームカテゴリーによる参加資格☆
「プロツアーチーム」の主戦場は、あくまでもグランツールやクラシックなどの「UCIワールドツアー」である。ただ、UCIのルール上、プロツアーチームは各コンチネンタルツアーの超級(HC)やクラス1のレースに参戦することも可能とされている。
 プロツアーチームに準ずる格式の「プロコンチネンタルチーム」は、各コンチネンタルツアーのHCやクラス1のレースが年間の主戦場となる。UCIワールドツアーのレースも、主催者推薦等のワイルドカード枠を手にすれば参戦が可能。しかし、UCIが定める厳しい条件をクリアしなければならず、チーム運営に関してもUCIからの強力な管理を受ける。
 一方、各コンチネンタルツアーのクラス1やクラス2のレースを戦う「コンチネンタルチーム」は、UCIワールドツアーのレースに参加できない。よって、コンチネンタルチームとして日本国内やアジアを主戦場とするTeamUKYOがUCIワールドツアーのグランツール(ツール・ド・フランスなど)やクラシックレースに参戦するためには、まずはUCIからプロコンチネンタルチームのライセンスを発給されることが必須条件となる。

○=出場できる。△=出場できる場合がある。×=出場できない(上位カテゴリーチームは出場しない)
☆Jプロツアーとは?☆
 全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)が主催する国内ロードレース選手権。全国各地で約20戦のレースを転戦し、総合優勝を競う。TeamUKYOは2013年、チーム年間総合優勝と個人総合優勝(ホセ・ビセンテ・トリビオ/スペイン)の二冠を達成している。個人総合首位の選手には、「ルビーレッドジャージ」と呼ばれる赤いウェアが与えられ、トップの証(あかし)としてレースでの着用が認められている。

☆「脚質」の違いによる選手のタイプ☆
【スプリンター】
 瞬発的なスプリント力に優れる選手。平坦が基調のステージの際、ゴール前数百メートルに集団でなだれ込んだときには、彼らスプリンターが激烈なバトルを展開する。
【ルーラー】
 平地で長距離を高速走行することに優れた能力を発揮する選手。なかでも、単独で一定距離のタイムを競う個人タイムトライアルに秀でた選手は「TT(タイムトライアル)スペシャリスト」と呼ばれる。
 2008年の北京五輪で金メダルを獲得したファビアン・カンチェラーラ(スイス/トレック・ファクトリー・レーシング)は典型的なTTスペシャリストで、タイムトライアル世界選手権で4度優勝(2006年・2007年・2009年・2010年)している。
【パンチャー】
 距離の短い急坂などで、文字どおりパンチのある攻撃を仕掛けることのできる選手。集団を飛び出して積極的に逃げを図ったり、あるいはその逃げを追走して潰しにかかる際にも活躍する。新城幸也(チーム・ユーロップカー)はまさにこのタイプで、レースの国際映像で彼がフィーチャーされる走りは、典型的なパンチャーのもの。
【クライマー】
 ときに20%を超える急峻な「激坂」をぐいぐいとペダルを踏んで登っていく姿は、彼らの人間としての性能が飛び抜けて優れていることを何よりも証明している。過去のツールで繰り広げられた伝説的クライマーたちによる数々の名シーンは、いまだに語り継がれている。
 2014年のジロ・デ・イタリアで総合優勝を飾ったナイロ・キンタナ(コロンビア/モビスター・チーム)は、現代を代表するクライマーのひとり。
【オールラウンダー】
 すべての能力をまんべんなく兼ね備えた選手。山岳やタイムトライアルなど、特別な資質に注目すると各スペシャリストに一歩譲ることもあるが、平均して高い能力を備えているため、全ステージの総合優勝争いに生き残るのは、このタイプであることが多い。
 史上5人目となる「グランツール完全制覇」を成し遂げたアルベルト・コンタドール(スペイン/ティンコフ・サクソ)や、2013年ツール総合3位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア/アスタナ・チーム)などが、オールラウンダータイプの典型的選手。


☆国内の主なレース☆
【ツアー・オブ・ジャパン】
毎年5月に行なわれる日本を代表するステージレース。
【ツール・ド・熊野】
世界遺産に登録されている熊野古道を舞台に、例年5月下旬から6月上旬に4日間で開催されるステージレース。
【ツール・ド・北海道】
毎年9月に北海道を舞台に開催されるステージレース。
【ジャパンカップ】
毎年10月に栃木県宇都宮市で行なわれるワンデーレース。

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