【月刊・白鵬】横綱が語る、
稀勢の里の横綱昇進と時天空との別れ (4ページ目)
昨年、初めて出場した長男の眞羽人(まはと/小学2年生)も、今年2度目の挑戦を果たしました。昨年は1回戦負け。それが悔しくて、この1年間は宮城野部屋の合宿にも参加するなど、目いっぱい稽古を重ねてきました。
しかし、今回も結果を出すことができませんでした。試合後、眞羽人も涙に暮れていました。勝負の世界とは厳しいものです。
「勝つ」ことはもちろん大事なことですが、この大会に向けて一生懸命稽古をしてきた、その努力と意欲は「勝つこと」と同じくらい尊いものだと私は思っています。今の眞羽人には、まだ難しい話かもしれませんが、こうした経験がいつか彼の人生の中で生かされればいいなと、父親として祈っています。
大会は、今回も無事に終えることができました。参加してくれた選手のみなさん、ご父兄や指導者の先生方、そして審判を務めてくださった親方や関取衆、大会に関わってくださったすべての方に感謝の気持ちでいっぱいです。この場を借りて、お礼申し上げます。
初場所後には、とても悲しい出来事もありました。
1月31日の午前中、ガンで闘病中だった元時天空の間垣親方の訃報が飛び込んできました。37歳、あまりにも早いお別れです。
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