2017.02.17

新しいスキーでW杯53勝目の高梨沙羅。
「一番勝ちたい」世界選手権へ

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Fujita Takao/PHOTO KISHIMOTO

 高梨沙羅(クラレ)のW杯通算最多記録タイとなる53勝目がかかった、2月15日のW杯平昌大会。弱い追い風の中で、1本目の飛躍は踏み切りもしっかり決まり97.5mまで飛距離を伸ばして、2位の伊藤有希(土屋ホーム)に5.8点差をつけるトップに立った。この1回目ジャンプを終えた時点で、もはや記録達成は確実だと思われた。

53勝目を挙げても謙虚な姿は変わらず、来年の平昌五輪での活躍に期待がかかる高梨沙羅 だが、追い風が少し強くなった中で飛んだ2本目は、ジャンプ台に力が伝わらないジャンプになってしまい、94mというまさかの失速。ブレーキングトラックで高梨は頭を抱えていた。

「風というより、タイミングががっつり遅れてしまったので『ここでそれが出るか!』という感じで……。『やってしまったな』という悔しさがありました」

 そんな高梨に9.5点差をつけて優勝したのは、午前中の公式練習では100mジャンプを連発し、試合前のトライアルでも高梨より5段高いゲートながらヒルサイズ(109m)超えの110mを飛んでいた伊藤だ。1本目は96m、2本目は弱い向かい風をもらい101.5mを飛んでの逆転勝利だった。