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アイスホッケーの美女GK藤本那菜、
平昌五輪決定に導いた1年前の決意 (3ページ目)

  • 水野光博●取材・文 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

―― その後、2015年の世界選手権でベストGKを受賞。その実績から新プロリーグNWHLからオファーが届いたと聞いています。NWHLに挑戦を決めた理由は?

藤本 ソチ五輪後、海外でプレーすることは視野に入れていたんですが、「とにかく行けばいい」わけではなくて、「成長できる」という確信が欲しかったんです。NWHLは現在の世界トップを争うアメリカなどの代表選手が各チームに所属しています。一緒にプレーしてそのシュートを止められたら、日本代表でプレーしているときも止められるようになるんじゃないかなって。五輪でメダルという目標に一歩近づけると思ったんです。

―― 現在、8試合を終えた時点(2015年12月24日現在)で、所属するニューヨーク・リベターズは4チーム中3位と苦戦していますが、藤本選手のセーブ率は92.8%でリーグ2位です。世界に通用し、そして成長できているという実感は?

藤本 今までやってきたプレーや持っているもので、ある程度は通用するんだなとは思いました。でも、随所にクリアにしなければいけない課題も見つかっています。

―― 具体的には?

藤本 私の強みは基本に忠実というか、運動神経に頼ってアクロバティックなプレーでシュートを取るのではなく、とにかく基本、基本、基本、まあ地味なプレーです(笑)。世界トップレベルの試合でパワー、スピード、テクニックの基本を徹底するためには、より正確なポジショニング、そのためのスケーティング技術の向上が必要だと思いました。私は海外の選手と比べる身長も小さい(163センチ)ので、より多く、より速く動く必要があるんです。理想は、大きい選手よりもポジションをうまく取り、ゴールの隙間をいかに埋めるかなので、体格の大きい選手よりスキルも体力も倍くらい必要と考えていて。そのためには、向上させなければいけないことだらけです(笑)。

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