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W杯3連勝のスピードスケート小平奈緒、
平昌の「金」がハッキリ見えた (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • フォート・キシモト●写真 photo by PHOTO KISHIMOTO

 そんな小平の好調の理由を、結城コーチはこう言う。

「僕自身は1000mが彼女の本当の持ち味が生きる種目だと思っているんです。他の選手より上がった脈拍の落ち着き方も早いので、オランダでは心臓の機能はイレイン・ブスト(ソチ五輪1000m、1500m銀)と変わらないくらいなのに、何で滑れないんだと言われ続けたみたいですから。今年からは日本式のトレーニングをミックスして筋持久力がついた効果も出ていると思います。それに、今年は体もだいぶ絞れています。脂肪も1.2kgくらい落ちていると思うので、今の体に1kgの重りをつけて滑れば去年くらいの順位だろうし、500mも38秒3~4だと思いますね。それが1000mや1500mになるともっとダメージが大きくなるので、その差が大きい」

 結城コーチがこう話すように、今シーズン小平が余裕を持っているのは、2010年バンクーバー五輪の前のように500mから1500mにまで挑戦し、中でも大学の卒業研究の題材にしたくらい好きな1000mで結果が出ていることが大きい。昨シーズンはW杯総合19位と苦しんでいたが、今シーズンは初戦のハルピンで6シーズンぶりに3位表彰台にあがった。さらに今大会では、W杯自己最高位タイの2位まで上げただけではなく、ハルピンで優勝したヘザー・ベルグスマ(アメリカ)には1秒05つけられていたタイム差を、0秒37差まで縮める1分15秒18を出していた。

「1000mでは表彰台の高さ通りにステップアップできたと思います。今回は特にヘザーやマリット・レーンストラ(オランダ、ハルピン2位)という上位選手にどれだけ食らいついていくかということに視点を置いていたので、気持ちの入った勇気あるレースをできたと思います」

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