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【スピードスケート】小平奈緒、ソチ五輪に向かって加速中! (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「2年目からは上半身を含めた体力アップを意識して夏場はがんがんウエイトトレーニングをやらせました。それに加えて、9月以降のコンディショニングでは今まで試していないパターンのものを、リスクの高い順にやってみたんです」 

 試してみたかったのは、夏場のトレーニングから一転、調整期に外国人選手のようにウエイトトレーニングをあまり入れないようにすることと、低酸素トレーニングが合うかどうかだった。しかし、いざやってみると両方とも小平にはあまり合わなかったという。

 開幕戦である10月末の全日本距離別こそ夏場のトレーニングの貯金で好成績を残したが、その後のシーズンでは筋力を落とすとパフォーマンスに影響があると分かった。その結果、これまで通りにウエイトトレーニングを軸にして筋力を落とさずいくという方針が定まったのだ。

「バンクーバー後は本人もだいぶ感覚をつかんできたので、いろんなことを相談しながらやるようになりました。ウエイトトレーニングを落とした時は『先生、ウエイトトレーニングをやった方がいいと思います』と意見を出してきたり。それで11~12年シーズンが終わった時には、『男子並みのトレーニングをしたい』と言ってきたんです」

 5月からは、トレーニングパートナーでもあった山中大地(現・電算。ソチ五輪1000m代表)より、5kgくらい軽いだけの負荷をかけたウエイトトレーニングに取り組み始めた。最初のうちはケガ寸前の状況にもしばしば陥ったという。それでも適切な処置で"ひどい筋肉痛"くらいに収め、3日後にはまた出来るようになっていた。

「その重量を、外国勢のライバルであるクリスティン・ネスビット(カナダ)やヘイザー・リチャードソン(アメリカ)が、やっているだろうという想定でやったんです。それもまだ12年だったからこそ出来る、ということだったんですね」

 ベンチプレスを例にとってみれば、学生時代は40kgをあげるのが精一杯だったのが、12年の夏は60kgを10回連続で出来るようになった。さらに昨年は65kgを10回と進化しているという。

 その効果がでてきたのが、12年10月末の全日本距離別選手権の500mだった。

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