2014.01.21

ソチ五輪メダル候補の15歳。
平野歩夢がスノーボードの未来を変える

  • 徳原海●文 text by Kokuhara Kai photo by AFLO

2014年注目のアスリートたち(7)

 ソチ冬季五輪の開幕が目前に迫る中、ここへきてスノーボード・ハーフパイプの平野歩夢(あゆむ)への注目度が飛躍的に高まっている。しかし、雪上競技の史上最年少記録となる15歳70日で五輪に出場するスーパー中学生――と言われても、スノーボードの競技シーンをテレビで目にする機会が少ない日本では、彼がどういう経歴を持ち、どういう滑りをする選手なのか、その人物像に正直ピンとこない人も多いはず。たいていの人は、「その年齢で五輪に出るなんてすごい」という印象程度だろう。そこでここでは、平野歩夢というスノーボーダーの「すごさ」を、様々な角度からひも解いていきたい。

あどけない表情から想像できない平野歩夢のド派手なジャンプに注目すべし 平野の出身は、新潟県村上市。地元でスケートパークを営む父のもと、4歳で兄とともにスノーボードを始めた。物心がついたころからスケートボードとスノーボードが身近にあり、日課のように反復練習でスキルを磨いてきた平野少年は、小学4年生のときに早くもアメリカのスノーボードメーカー『バートン』とスポンサー契約を結ぶ。トリノとバンクーバーの2大会連続で五輪金メダルを獲得しているショーン・ホワイト(アメリカ・27歳)や、ハーフパイプ世界選手権3連覇を成し遂げた「生きる伝説」ことテリエ・ハーコンセン(ノルウェー・39歳)ら、世界の名だたるライダーたちをスポンサードするバートンは、サッカー界に例えるならナイキでありアディダスだ。そんなビッグスポンサーが10歳の少年と契約した、という事実だけでも、まずは彼の才能が幼少期からいかに突出していたかがわかる。

 その後、平野は国内のジュニア大会で優勝を重ね、2011年と2012年のUSオープン・ジュニアジャムで連覇するなど着実に成長を遂げていき、そしてちょうど1年前の2013年1月、そんな彼の存在を一躍、世界のトップシーンに知らしめる出来事が起こる。当時14歳にして、エクストリームスポーツの世界最高峰、アメリカの「Winter X GAMES」のスーパーパイプで2位となり、同大会の史上最年少メダリストに輝いたのである。