決定まであと100日余り。2020年五輪の招致レースはどうなる? (3ページ目)

  • 松瀬学●取材・文 text by Matsuse Manabu photo by Reuters/AFLO

 スペインには絶大な権力を誇示していた前IOC会長フアン・アントニオ・・サマランチ氏(故人)の息子、サマランチ・ジュニア氏をはじめ、計3人のIOC委員がいる。ひとりの日本、トルコに比べ、これは相当、優位である。スペイン国王が加わり、水面下のロビー活動では他を圧倒している。

 IOC委員は現在、100人余。現時点では「イスタンブールがリード」という声が多いが、この先の招致レースがどう転ぶか誰にもわからない。

 今後の招致レースのポイントは3つである。

1)いかに上手なプレゼンでその都市の魅力をアピールしていくか
2)ロビー活動によってIOC委員との強い信頼関係を築いていけるか
3)大きな間違いをしないか

 9月7日にアルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるIOC総会までに、各都市に残されたプレゼンの機会は、スポーツアコード会議のほか、6月14日~16日にスイス・ローザンヌで開かれる各国オリンピック委員会連合総会と、7月3日、4日に同じくローザンヌで行なわれるIOC委員への開催都市説明会がある。

 さらには、6月の7人制ラグビーワールドカップ(モスクワ)、7月の世界水泳(バルセロナ)、8月の世界陸上(モスクワ)、世界柔道(リオデジャネイロ)などの国際大会の場でも、3都市のIOC委員へのロビー活動がし烈化することになる。

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