【月刊・白鵬】2年のブランクを経て復帰した、ある力士への思い

  • 武田葉月●文 text&photo by Takeda Hazuki

2年ぶりに相撲界に戻ってきた蒼国来に稽古をつける白鵬。2年ぶりに相撲界に戻ってきた蒼国来に稽古をつける白鵬。第26回:蒼国来

5月12日から始まった
大相撲夏場所(5月場所)。
先場所で全勝優勝を飾った
横綱は、その調子を維持。
北の湖を抜き、朝青龍に並ぶ
25度目の優勝を狙う。

 大相撲夏場所(5月場所)が始まりました。

 新緑が鮮やかなこの季節、空気もカラッと爽やかで、新たな意欲が湧き上がってくる感じがするのは、私だけではないでしょう。

 先の春場所(3月場所)は、全勝優勝という最高の形で終わることができました。北の湖理事長の優勝24回という記録に肩を並べたことは、本当にうれしい出来事でした。

 久しぶりの全勝を果たしたあとは、充実感が違いました。恒例の伊勢神宮から始まった春場所後の巡業では、自分なりの稽古が積めましたし、各会場には連日多くのファンの方が足を運んでくれて大盛況。相撲界の活気と、人気回復の手応えを直に感じることができました。

 また、相撲界では数年に一度、海外での巡業が開催されるのですが、今年は8月にインドネシア・ジャカルタで行なわれることも決まりました。久しぶりの海外、それもあまり相撲には馴染みのないアジアの国での巡業だけに、どんな反応が見られるのか、今から楽しみです。相撲そのものの普及にも、ぜひつなげていきたいと思っています。

 ところで、春場所では私と同部屋(宮城野部屋)の大喜鵬も奮闘しました。

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