【月刊・白鵬】注目の9月場所。狙うは宮城野部屋の「2階級制覇」

  • 武田葉月●文 text&photo by Takeda Hazuki

9月場所前に、同期の剣武の断髪式に臨んだ白鵬。9月場所前に、同期の剣武の断髪式に臨んだ白鵬。第18回:大喜鵬

秋場所(9月場所)を前にして
精力的に稽古をこなしていた横綱。
自身の秘めた目標とともに、
今場所の見どころを語ってくれた。

 大相撲秋場所(9月場所)が始まります。

 今場所の目玉と言えば、名古屋場所(7月場所)で全勝優勝を果たした、大関・日馬富士の綱獲りです。

 先場所の日馬富士は勢いが違いましたね。もともと彼は「夏男」で、夏になるとパワーアップするのですが、体も心も力がみなぎっている感じでしたから。千秋楽、全勝同士で対戦した結びの一番では、横綱の意地を見せたかったものの、彼の前に屈してしまいました。その結果については今でも悔しさは残っていますが、みなさんに「全勝同士」の戦いを見せられたという意味では納得しています。

 実は、日馬富士は昨年の名古屋場所でも優勝していて、秋場所に綱獲りがかかっていました。ところが、場所前に体調を崩して、綱には届きませんでした。

 そうした反省を踏まえて、今年に入ってからは特に体調の維持に努めています。また、密かに新たな筋トレをやっているとも聞いています。そうした効果が出て、体重も133kgと増えて、稽古をしていても軽量を突かれて一方的に押し出される、ということもなくなっていますね。

 私がひとり横綱になって15場所目を迎えます。ずっと「早くもうひとり横綱が欲しい」と言い続けてきましたが、今の日馬富士を見ていると、その可能性はかなり高いんじゃないかと思っています。期待していいんじゃないでしょうか。

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