鍵山優真が全日本完勝を目指す ミラノ・コルティナ五輪へ向け「正しい選択だったよって自分に言ってあげられるように」 (3ページ目)
【自分らしさ全開で滑る】
GPファイナルのSPでは、「足りないのは自信」と自己陶酔することで強気に戦えたと言うが、自己と向き合うことが、すでに彼自身を鍛え上げているのかもしれない。虚栄心では、リンクでこれほど人を魅了することはできないだろう。
「自分を超えたい」という純粋な気持ちが、彼の集中を研ぎ澄ますのだ。
「フリーは構成を少し変えて、コンビネーションジャンプを2つ後半に入れるつもりです。難易度というか点数を上げるために。(後半のコンビネーションジャンプは)リカバリーはできないので、"絶対成功"に。ある意味、自分を追い込めるかなって思っています。それで1点でも多く、自己ベストに近づき、追い越せるようなパフォーマンスを出せれば」
鍵山は言う。自分をとことん信じながら、挑み、超えられるか。それは何者かになることでもあるかもしれない。
「自分が積み重ねてきた練習や生活が、『正しい選択だったよ』と自分に言ってあげられるようにしたいです。ここまでが第1章。明日のフリーに向けて、いいパフォーマンスができるかどうか。気持ちを落ち着かせて、自分らしさ全開で最初から最後まで滑れるようにしたいですね」
五輪に向け、鍵山は東京のリンクで己を試す。12月20日、フリーは最終滑走。名曲『トゥーランドット』で鍵山劇場の第2章が開帳だ。
著者プロフィール

小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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