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鍵山優真「リスクより安全を取ってしまった」 GPファイナルの演技に父の正和コーチは「アスリートの気持ちが足りない」 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【演技内容にコーチが苦言】

 父の正和コーチは演技前、「世界一を取ろうぜ」と声をかけていた。だからこそ、300点超えという結果のなかでも、苦言を口にする。

「優しくなりすぎているというか、アスリートとしての気持ちがちょっと足りないのかなという気はします。最初の4回転+3回転のコンビネーションを4回転+2回転にしてしまったけれど、練習ではバランスを崩しても4回転+3回転にできるんです。最後のコンビネーションに関しても締めようと思えば締められる。この雰囲気のなかで1点でも多くもぎ取ろうと思うのであれば、アスリートとしての気持ちがあるなら、練習ではできているからそれができるはず。

 練習は『これ以上もなく、これ以下もない』というところまで上げてきている。大観衆のなかでの最終滑走はこれからも多くなってくると思うので、どうやってその気持ちをつくっていけるか。NHK杯から課題にしていてちょっとずつ上がってはいるけど、やっぱりまだまだ足りないのかなというふうには感じます」

 そして鍵山は、そんな父の言葉に対してこう話す。

「自分のなかではどうしてもミスをしてはいけないという気持ちがすごく強くて、挑戦のリスクよりも安全を取ってしまった。あの瞬間はあれが最善策だと思ってはいたけど、たしかに挑戦しなければいけないとすごく感じました。何も恐れずにやっていくのが一番大事でした」

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