【フィギュアスケート】鍵山優真に伸びしろあり ミラノ五輪へ向けて自らの強みをさらに究める (2ページ目)
【ライバルの躍進にも焦らず、自分のペースで】
痛いミスをしたものの、それを振り返る鍵山の表情には、落ち着いた雰囲気があった。この落ち着きこそが、今季の鍵山の特徴のひとつだ。
GPシリーズはNHK杯が初戦という遅めのスタート。このあと、11月下旬のフィンランド杯、GPファイナルを経て12月の全日本選手権まで中1週で4連戦というタイトなスケジュールが控えている。
GPシリーズでの他の選手の結果について、鍵山は「自分の練習を必死に頑張っていたので結果だけ追って『ああ、そうなんだ』と見ていただけ。焦ることもまったくなく、自分自身のペースでNHK杯へ向けて練習してきました」と話す。
さらに、すでに2勝してGPファイナル進出を決定しているイリア・マリニン(アメリカ)が、スケートカナダのフリーで歴代世界最高得点の228.97点を出したことに対しても、冷静に捉えている。
「とくに気にすることもなく『ああ、またやってる』という感じ。でも、やっぱり同じカテゴリーで戦っているので意識せざるを得ないのは正直なところだし、大きな壁だと思います。自分自身はプログラムの完成度や構成もまだまだ上げていける段階ではあるので、しっかり追究していけば結果も少しずつ上がってくるのかなと思っています」
今回ミスをせず、しっかり加点をもらったジャンプについてはこう分析する。
「どのジャンプもちょっと耐えながら降りたなという感触だった。いつもの練習だともっといい流れで跳べているし、実際、サルコウも今まで4点台の加点を取れていた部分もあったので、今回の3.74点はもう最低限かなと思っている。フリーに向けて、しっかり切り替えて頑張りたいと思います」
競技人生初めてのスピン0点というミスに悔しさを感じながらも、それを素直に受け止めて次へのステップにしようと、落ち着いた姿勢の鍵山。そんな「落ち着き」こそ、今季の鍵山の強みになるはずだ。
著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。
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