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初の五輪で4回転ジャンプ成功「出しきれた」とガッツポーズ 日本男子フィギュアの躍進を支えた小塚崇彦 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【五輪でつけた自信を胸に躍動】

 翌2010−2011シーズンは、五輪で得た自信をもって結果を出すシーズンになった。GPシリーズは中国大会とフランス大会を連勝し、ポイント1位で進出したGPファイナルも3位に入った。

 そして、全日本選手権はSPをノーミスで滑りきり、87.91点でトップに立つと、フリーでは冒頭の4回転トーループなど2回の転倒がありながらも、後続をさらに引き離して合計251.93点。初優勝を果たした。

「小さい頃に父が優勝した大会だと聞かされていた全日本選手権で優勝できたのはうれしいですが、内容は情けないというか......。もっと自分のいいところを出して、いい結果で終われたらもっと気持ちよかったと思うけど、悔しいという気持ちが残ったからこそ、次も頑張れると思います」

 試合後にこう話していた小塚は、その気持ちを4月にモスクワでの開催となった世界選手権で示してみせた。SPはトリプルアクセルで着氷を乱して77.62点と6位発進だったが、フリーでは冒頭の4回転トーループを含めてノーミスの演技をし、自己最高の180.79点を獲得。合計では、当時の歴代世界最高得点を出して優勝したパトリック・チャン(カナダ)に22点以上の差をつけられたものの、自己ベストの258.41点で2位に入った。

 こうして、高橋大輔や織田信成とともに日本男子をリードする存在になった小塚。織田がひざのケガでシーズン途中から欠場した2011−2012シーズン、羽生結弦が台頭するなか、小塚はGPシリーズのスケートアメリカで3位、NHK杯でも2位に入った。僅差でGPファイナル進出を逃すも、全日本では羽生を抑えて高橋に次ぐ2位になった。

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