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宇野昌磨は解き放たれた表現者 本田真凜、ステファン・ランビエールらとつくる『Ice Brave』で世界観全開 (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【本田真凜との新しい挑戦】

 なかでも、ショー後半の目玉である本田真凜とのアイスダンス『Wild Side』はコラボナンバーの域を越え、ひとつのプログラムになっていた。

本田真凜とはアイスダンスに初挑戦本田真凜とはアイスダンスに初挑戦この記事に関連する写真を見る

 昨年10月からアイスダンス用のブレードを使い、本格的にアイスダンスをスタート。ツイズルのユニゾンひとつ切り取っても、瞠目に値するものだった。日本トップのアイスダンサーにも匹敵した。お互いが呼吸を合わせ、リフトも成功。ダンススピンでは回転でひとつに溶けていた。

「アイスダンスをやってみてわかったのは、シングルとはいろいろと勝手が違うこと。(シングルで)培ってきたスキルの1割、2割しか引き継げていません。でも、初めてプロデュースしたアイスショーで新しい挑戦をしたかったので、(アイスダンスを)プログラムでひとつ入れようと。もっと成長できるなって思った一方で、よく頑張ったなとも思います」

 宇野はあけすけに笑った。相当にハードだったようだが、艱(かん)難辛苦を超えて、というよりは、とことん楽しんだ結果と言えるか。彼だけの"楽しむ極意"だ。

「みなさんの拍手が、やってきた練習を褒められたような、助けられるような感覚で」

 そう振り返った宇野は、何度も会場に集まった人々に感謝していた。真摯な気持ちが伝わるからこそ、ショーは"ここにいてよかった"という幸せな空間になっていた。

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