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宇野昌磨は解き放たれた表現者 本田真凜、ステファン・ランビエールらとつくる『Ice Brave』で世界観全開 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【鋭い視線、弾ける笑顔......】

 冒頭、黒い革のジャケットとパンツに身を包んだ宇野は、シングル時代の名作『Great Spirit』の重低音に乗り、野生味ある滑りで観客を魅了した。

 会場の一角に近寄って鋭い視線を投げると、観客は恍惚の表情になった。他の場所の観客も「こっちに来て」と懇願し、たちどころに世界観をつくっていた。リンクに立った彼は弾けるような笑顔だった。

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 今年3月のインタビューで宇野は"笑顔になる回路"について、彼らしい説明をしていた。

「練習ができてない人は、笑うことはできないし、試合という極限状態で笑みがこぼれることはありません。笑みが溢れるには、過程に理由があると思っていて。『Ice Brave』でもそこは大切にしたいし、過酷なスケジュールになるかもしれませんが、ひとつの大きな目標に向かって成功できるように。

 最初は努力であっても、いずれは努力ではなく、"やりたい=楽しい"になって、そうやって積み上げた先にショーがあると思います。そういうショーは感情も乗っているはずで、見に来る人も感情が動かされると思います」

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