『メダリスト』声優・春瀬なつみのフィギュアスケート愛がさく裂「生まれ変わったら鈴木明子さんみたいに...」
アニメ『メダリスト』で主人公・結束いのり役を務める春瀬なつみさんこの記事に関連する写真を見る
カメラのレンズに向け、小柄な彼女は自然な笑顔を見せる。邪気がなく、意欲に満ち、朗らかだった。人を幸せにする爛漫さというのか。その姿は誰かに重なった。
フィギュアスケートを題材にした人気アニメ『メダリスト』(テレビ朝日系/原作つるまいかだ・講談社)の主人公、結束いのりだ。
「『いのりちゃんみたい』と言ってもらえることが最近は多くなって、不思議な感じです。人見知りでおどおどするところは似ていると思いますが......」
春瀬なつみはそう言って、小さく笑う。声優として、結束いのりの声を務める。いのりは、フィギュアスケートに一直線な純真な少女だ。
「演じているなかで、少し寄ってくるのかなというのはありますね。その役に憧れて近づきたい、というか。今までの役にも、たくさんのことを教えられてきました。いのりちゃんを演じることで強くなった部分はあるし、毎日を楽しめる力がついてきました。本人が覚悟と愛を持って、"フィギュアスケートで生きる"と決めていて、それは大人でも難しい。いのりちゃんに勇気をもらい、"私も覚悟を持って生きないと"って思います」
春瀬にとって、『メダリスト』との出会いは運命的だった。なぜなら、彼女自身のフィギュア愛も尋常ではない。ノービスから選手を見るほどの通で、自身もリンクに通うほどだ。滑ることに人生をかける少女の役は重なった。
今を時めく声優は、高橋大輔が座長のアイスショー『滑走屋』では応援団長も務める。彼女はフィギュアスケートという競技とどのように出会い、夢中になっていったのかーー。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。