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りくりゅう「苦しいシーズンだった...」ネガティブになった木原龍一に三浦璃来がかけた言葉とは? (3ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • 田中 亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

【今季できなかったことを全部取り戻す】

ーー来シーズンが楽しみですね。三浦選手は世界選手権フリー本番前の練習で肩を亜脱臼されたそうですが、どういう状況だったのでしょうか?

三浦 フリーの6分間練習で、スロー3回転ルッツを転倒した時に......。

木原 (着氷した瞬間に)オーバーローテーションしたんですよね。

三浦 で、うしろに手をついた時に肩が上がってしまって亜脱臼してしまいました。

ーー演技中はそれをまったく感じませんでした。

三浦 たぶん、アドレナリンと痛み止めを飲んでいたので乗り越えられたのかなと思います。

ーー三浦選手のケガは今どんな状態ですか?

三浦 亜脱臼だったので1度目の脱臼よりはひどくなくて、医師からは「安静にしていれば世界選手権前の状態に戻るよ」と言っていただいています。

木原 しっかりMRIを撮って最初に脱臼した時の状態と見比べたところ、予想していたよりは重症ではなかったので、しっかり外旋位固定をして6週間安静にしていればケガ以前の状態に必ず戻ると説明を受けました。

ーーちゃんと安静にしていますか?

三浦 はい、してます!

ーー早くよくなりますように。世界選手権のフリーの演技後、三浦選手の表情が印象的だったんですけどそれは痛みではなく純粋に悔しさで?

三浦 そうですね。6週間、本当にいい練習を積んできて、世界選手権でもフリーで逆転(優勝)する勢いでやっていたので、私のミスで点数がそこまで出なかったので葛藤していました。私がそこで跳んでいれば、と。

木原 僕は自分のジャンプを全部飛んでいたので、気にしていなかったんですけどね(笑)。出しきれるところは全部出しきったので、終わった瞬間は6週間よく頑張ったなあという気持ちでした。(三浦選手が)すごくいい練習をしているのをずっと見てきましたし、サルコウが抜けてしまうというのも、練習でもないものだったので。

 もちろん悔しい思いもありましたし、自分たちが求めていた完全な演技はできなかったんですが、やりきったなって思いが強かったです。なので、終わった直後から「よくやったよね」という話は......してたっけ?

三浦 (笑)。

木原 何を話したかは覚えていないんですけど(笑)、僕もちょっときつかったので。でも終わった直後は......あ、思い出しました! 終わった直後に「来シーズンはシーズンオフから絶対ケガをしないで、必ず今年できなかったものを取り戻そう」という話をしました。キス&クライに行くまでの間に(笑)。

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ーーキス&クライに着く前にすでに来シーズンの話を?

木原 もうしていました(笑)。シーズンオフから生活を見直して、ケガをなくして、今年できなかったものを絶対に全部取り戻そうという話をしていました。

ーーその直後、まさか(木原選手の体調不良により)表彰式に出られないことになるとは。

木原 ご心配をおかけして、本当に申し訳ありません。運動で誘発されるぜんそくを発症したんじゃないかと、チームドクターからお話がありました。以前から試合後に咳が出る症状は何度かあって、過去にも一度過呼吸になってしまったことがあったんです。

 でも、今回は今までいちばん酷い症状で咳が止まらなくなってしまい、そこから過呼吸で呼吸困難になってしまったので、酸素マスクをつけていただいて。帰国して、しっかりと病院で検査したところ、スポーツ喘息というよりも普通の喘息になっていたので、もう少し早く気づけばよかったな、と。

 トレーニング不足からくるスタミナのなさが、呼吸の苦しさになっているのかなと自分が勘違いしていたので、今回病院でしっかり検査できて原因も判明しましたし、改善できるということだったのでよかったかなと思います。

ーーメダルセレモニーの時におっしゃっていた日本での"病院ツアー"はもう終わりましたか?

木原 まだ続いています。カナダに戻るぎりぎりまで病院のツアーは入っていますね。シーズンオフにしっかり治したい思いが強いので、今回治療の時間がしっかりとれたのでよかったなと思います。

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