振付師ブノワ・リショーが考える、日本フィギュアスケート界がさらに飛躍するために必要なこと (2ページ目)
【日本フィギュア界の課題と今後】
―――日本人選手がさらにレベルを高めていくためにはどうすればいいでしょうか?
「私は若い世代の選手を精一杯サポートしたいと思っています。日本のジュニア世代の選手を見ていると、ドレス選びや髪型といったスケーティング以外の部分においても、どこか型にはめこみすぎているように感じることがありますが、まだまだ個性を伸ばせる伸び代を感じていますので、今後の彼らの成長と活躍を心の底から期待しています。
たとえ"子供"と言われる年齢の選手であっても、彼らは自分自身のスタイルや考えをすでに持っていて、時に大人である私たちよりも多くのことを知っていますし、若いからこその柔軟性も持ち併せています。そのような若い世代のスケーターを支えるためには、選手のことを知り、それに合ったプログラムを考えることが重要となります。若い年齢でも、選手のやりたいことや性格、好みのスタイルなど、さまざまな選択肢を提示した中から、本人が本人らしく感じるプログラムを共に作り上げることが大切です。
もし近い将来、ロシアの選手たちが世界の舞台に戻ってきた時に、日本人選手たちが引き続きトップの座を維持できるかどうかも、"本人らしいスケーティングを磨き上げること"にかかっていると言っても過言ではありません」
スケーターに振り付けをするブノワ・リショー氏 photo by peak-iceこの記事に関連する写真を見る
―――日本の若手世代に対する印象や、注目している選手がいたら教えてください。
「ノービスも含めた日本のジュニア世代の選手たちは、非常に高いポテンシャルがあると思いますし、努力を惜しまず技術力、表現力を磨き上げていく魅力的なスケーターがたくさんいます。この世代が順調に成長すれば、将来的に多くの日本人選手が世界の舞台で活躍することになるでしょう。私も注意を払って選手たちの様子を見ていますが、その中でも『将来的に世界に出てくるのではないか』と楽しみに見ている選手が2人ほどいます。名前はまだ内緒にさせてください(笑)」
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