島田麻央が4回転ジャンプに挑む理由 ジュニアGP快勝は「一番高い目標を達成するための通り道」 (2ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • photo by Kyodo News

【調子が悪くても大技に挑戦し続ける理由】

 今年10月に15歳になる島田の最大の目標は五輪。現段階では2026年2月のミラノ五輪には年齢制限で出場できないが(※五輪シーズンが始まる2025年7月1日より前に17歳に達していることが出場条件)、「世界ジュニア優勝が最終的な目標ではないので、一番高い目標を達成するためにそれは通り道だと思って、切り替えてやろうと思っています」と島田。先を見据えて努力を重ねている。

 フリーでトリプルアクセルと4回転ジャンプに挑み続けるのにも同じような理由がある。以前、トリプルアクセルや4回転は島田にとってどういうジャンプかと問うと、「世界で戦っていくためには絶対必要だと思っているので、今は試合で勝つためというよりも、ゆくゆく五輪や世界選手権で勝つために今から入れているという考えです。なので、調子が悪くても絶対に挑戦しようと決めています」と話してくれた。

 また、自身の名前の由来でもある浅田真央がトリプルアクセルに挑戦し続けていた姿も、島田の挑戦し続ける姿勢につながっているという。

 その大技を組み込んだフリーでは、トリプルアクセルをみごと成功。4回転トーループは回転不足で転倒してしまったが、「思いきり攻めていこう」と挑んでいった。転倒のあとのジャンプはすべて完璧に成功させ、練習を重ねてきた回転の速いスピンでは会場を大いに沸かせた。

 試合前にコーチから「プレッシャーに勝つ」「絶対できる」という言葉をかけてもらったという島田。プレッシャーをはねのけるためにしていることは「試合で緊張しても、これだけやってきたから絶対できると思えるくらい練習することです」と話すように、高い目標に向けて努力を惜しまないところも彼女の強さだ。

「去年よりどこか成長したなと思ってもらえるようにしたい」とインタビューに答える姿も、昨シーズンよりしっかりと大きな声で頼もしくなったように感じる。これからも強い志を持って努力し続ける彼女の活躍が楽しみだ。

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