ルフィ役・宇野昌磨が描くアイスショーの夢「現役を辞めたあとにやるとしたら...」 (2ページ目)

  • 山本夢子●取材・文 text by Yamamoto Yumeko
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

――現役時代以上に体力をつけないといけないですね。

宇野 確かに(笑)。瞬間的な体力よりも持久力が必要になってくると思うんですけど、僕は苦手ではないと思うんですよ。だからやってみたいなとは思います。ただ、自分のショーを持つにはお客さんが来ないと成り立たないですし、お客さんを呼ぶには自分の価値を上げなければいけないんですけど、僕はそれがあまりにも......苦手というか。人が理想としているものを体現するのは嫌なんです。理に適っていないですよね(笑)。たとえばアイドルはみんながこうあってほしいという理想を体現する存在であって、きっと引退したらプロとしてそっち側にならなければいけない。全部が全部、そうでなければいけないというわけではないと思いますし、それを取り入れなければいけないとも思うんですけど......どうしても僕の性格上、無理というか(笑)。そういう意味もあって「できるのか?」というのはありますね。

――確かにプロとしては期待に応えることも必要ですけど、でも......というところですね。

宇野 そうなんです。僕は25歳男性なので、かわいい男の子を演じてくださいと言われても絶対イヤですし。

――かわいいと言われたくないと以前もおっしゃっていましたね。

宇野 そうなんですよ(笑)。

――ここから引退するまでに、ありのままの宇野昌磨というスケーターの魅力をさらに確立していくしかないですね。

宇野 そうですね。それでダメだったら無理にその道を歩まなくてもいいかな、と。自分が歩んできたスケートという道は、いろんな可能性があると思っているので。自分がやりたいと思える道を選んでいけたらなと思います。

――もう少し自己評価を高くしてもいいのではないかと思います。

宇野 いやー、妥当だと思いますけどね(笑)。フィギュアスケートは他の競技よりは(個人の魅力を高められるという意味で)恵まれていますけどね。ゆづくんのレベルが違うだけです。アスリートがひとりで大きな箱を埋めるショーをできるということ自体がすごすぎるんですよ。

――東京ドームでのアイスショーですからね。

宇野 それは本当にヤバいです。僕はそういう道は無理なので。競技と向き合っているのが一番合っているとは思うんですけど、自分の性に合うことがあればそれをやればいいと思いますし、それがなくなったら自分が追い求めたいものを選択できるだけのことはやってこられていると思うので。妥当な評価をしているつもりです(笑)。

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