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日本人選手には有利に? 国際審判員に聞く、スピンや連続ジャンプのルール改正のポイント (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直/JMPA●撮影 photo by Noto Sunao/JMPA

アクセル得意のジャンパーは有利に?

 最後に、変化が生まれそうなところでは、ジャンプシークエンスの定義変更があります。ジャンプのあとにアクセルタイプのジャンプを跳ぶジャンプシークエンスで、3連続も可能になりました。また、これまではシークエンスとして跳んだジャンプの基礎点は0.8倍されてしまいましたが、1.0倍に変更となりましたので、ジャンプのうしろにダブルアクセルをつけることが得意な選手はどんどんやってくるはずで、その連続ジャンプは増えると思います。

 これにより、連続ジャンプでは、たとえば3回転ルッツ+3回転トウループ+2回転アクセルや、3回転ルッツ+2回転アクセル+3回転トウループという3連続ジャンプが高得点になります。そうすると、これまで跳ばれていた3回転+1回転オイラー+3回転という3連続ジャンプの2本目で跳んでいた、基礎点の低い1回転オイラーを使わなくて済みます。3連続ジャンプで1回転オイラーを使わないで済む組み合わせを考える余地ができたので、連続ジャンプのバリエーションがちょっと増えてくるというか、工夫のしようが出てきます。これは選手によっては、結構お得なルール改正になりそうです。

 また、女子でよく跳ばれていた2回転アクセル+3回転トウループについて、ルール変更後は3回転トウループ+2回転アクセルでも同じ得点になるので、3回転トウループがきちんと跳べる選手は、わざわざ2本目に3回転を跳ぶ少し難しい連続ジャンプは跳ばないと思います。また、3回転サルコウ+2回転アクセル、3回転ループ+2回転アクセルという組み合わせもあり得るので、単発でしか使えなかったジャンプをシークエンスにして、うしろに2回転アクセルをつけるという使い方ができるようになったとも言えます。

 シーズン序盤の9月、10月は、ジャッジたちもまだ手探りで得点を出すはずですし、振付師もその点数の出方を踏まえて手直しをしていくでしょう。例年、11月ぐらいまではジャッジの得点の出方やテクニカルの認定を見ながらブラッシュアップしていくという感じなのですが、今季はそれが、さらにお互い手さぐりになるかもしれないです。

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