「自分は本当に幸せ者」。三原舞依、北京五輪落選から四大陸選手権を完全制覇
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【原点は楽しさ】
「小学2年生の時、初めて氷の上に立ったんですけど、とにかく滑るのが楽しくて。すぐに『習ってもいい?』ってお母さんに言いました。陸で歩いたりするのと、氷の上は全然違うんです。"こんなに前に進むんだぁ"っていうのがあって」
三原舞依(22歳、シスメックス)は弾むような声で言う。
「最初は貸し靴だったし、どんな感じかもわからず、ヘルメットをかぶって。でもバランスは取れていたらしく、すぐにヘルメットを外して。両親からは『くるくる回っていたよ』って聞きますけど。何回かリンクに連れて行ってもらい、教室で(坂本)花織ちゃんがくるくる回る姿を見て、"楽しそう! テレビの(浅田)真央ちゃんと同じ! 自分も滑れるようになりたい"って」
その楽しさの原点を、三原はいつも忘れない。
競技生活とは、苦楽をともにすることである。そのなかで、楽しさは多くの場合、すり減っていく。ライバル、不調、伸び悩み、ケガ、あるいは、病気。無念さを抱えながらも、やがて原点はぼやけ、すべてを出し尽くせなくなる。
しかし、三原はリンクで命を燃やす演技ができる。
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