2022.01.24

「自分は本当に幸せ者」。三原舞依、北京五輪落選から四大陸選手権を完全制覇

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

四大陸選手権で2度目の優勝を果たした三原舞依四大陸選手権で2度目の優勝を果たした三原舞依 この記事に関連する写真を見る

【原点は楽しさ】

「小学2年生の時、初めて氷の上に立ったんですけど、とにかく滑るのが楽しくて。すぐに『習ってもいい?』ってお母さんに言いました。陸で歩いたりするのと、氷の上は全然違うんです。"こんなに前に進むんだぁ"っていうのがあって」

 三原舞依(22歳、シスメックス)は弾むような声で言う。

「最初は貸し靴だったし、どんな感じかもわからず、ヘルメットをかぶって。でもバランスは取れていたらしく、すぐにヘルメットを外して。両親からは『くるくる回っていたよ』って聞きますけど。何回かリンクに連れて行ってもらい、教室で(坂本)花織ちゃんがくるくる回る姿を見て、"楽しそう! テレビの(浅田)真央ちゃんと同じ! 自分も滑れるようになりたい"って」

 その楽しさの原点を、三原はいつも忘れない。

 競技生活とは、苦楽をともにすることである。そのなかで、楽しさは多くの場合、すり減っていく。ライバル、不調、伸び悩み、ケガ、あるいは、病気。無念さを抱えながらも、やがて原点はぼやけ、すべてを出し尽くせなくなる。

 しかし、三原はリンクで命を燃やす演技ができる。