「寄せ書きを書く側だったけれど、もらえる側になるとは」。河辺愛菜、持ち前の度胸で北京五輪へ挑む

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo News

【浅田真央のようなジャンプを】

 思いがけず手にした五輪代表だが、北京でやるべきことは決まっている。河辺はこう語っている。

「五輪で一番覚えているのは、ソチ五輪フリーで、(浅田)真央ちゃんがトリプルアクセルを決めた演技。それを見て、五輪でトリプルアクセルを決めるのはすごいなと思ってトリプルアクセルに挑んだので。自分も北京ではショート(プログラム)とフリーの両方で決めたいと思います」

 そのトリプルアクセルはこの日の公開練習では苦戦していた。全日本選手権では思いきって挑んでSPとフリーでともに成功させたものの、河辺は「(成功は)たまたまで、練習では飛び方がバラバラになってしまって跳べていなかった」とも話していた。「トリプルアクセルに入る時のカーブがまだ決まっていなくて、いい時のカーブと悪い時のカーブが全然違うので修正中です」と説明している。

 濱田コーチは河辺のトリプルアクセルについて「緊張したり、タイミングが取れなかったりすることもあるが、愛菜の場合は前に行く力はしっかり持っています。まだ入り方のコースが確立していないけれど、彼女に合ったものを見つけ出せれば、もっと質のいいジャンプを確率よく跳べるようになる。怖がるとスピードを控えがちになるものですが、彼女の場合はわりと思いきりいけるので度胸がいいと思います」と語った。

 河辺は五輪出場が決まってから過去の五輪の映像を見始めたという。

「何もかかっていない試合なら演技直前に笑顔も出ますが、出場している人たちみんなの顔がけっこう引きつっているので、他の大会よりすごい緊張感が画面から伝わってきて。自分がそれに耐えられるかどうかわからないけれど、なんとか自分の演技ができるようにしたいと思っています」

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