河辺愛菜が全日本フィギュアのSPで見せたトリプルアクセルだけではない改善。「自分は挑戦するしかない」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【北京五輪出場のカギはトリプルアクセル】

 次のフリーでは厳しい勝負になるだろう。SPでも技術点こそ首位の坂本花織と0.04点差の2番目だが、プログラムコンポーネンツ(構成点)は6番目。優位に立つには、やはりトリプルアクセルにかけるしかない。それが、河辺の五輪出場の条件だ。

 誰よりも、河辺が腹をくくっている。

「今回は、思いきってやる、というのを一番大事に」

 意外なほど巨大な胆力で、確実に運も引き寄せてきた。NHK杯は全日本女王である紀平梨花のケガによる代替出場で、2位という結果を出している。勝負の世界、運も実力のうちだ。

「ショートは一個、課題をクリアできました。ただ、今シーズンはショートがよかったのに、フリーで失敗とかあって。そこも課題なので、今回は達成できるように」

 12月25日のフリー、河辺は「サラ・ブライトマン&Yoshiki『ミラクル』」で乾坤一擲の勝負に挑む。命運を握るトリプルアクセルは冒頭だ。

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