2021.12.24

坂本花織の躍進に振付師との出会い。個性、感性を引き出すプログラムで国際的にも高い評価

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

全日本選手権の女子ショートプログラムで首位に立った坂本花織全日本選手権の女子ショートプログラムで首位に立った坂本花織 この記事に関連する写真を見る  北京冬季五輪のフィギュアスケート日本代表を決める最終選考会を兼ねる全日本選手権。女子は、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器とする最有力候補だった紀平梨花がケガにより欠場。ショートプログラム(SP)では平昌五輪6位の坂本花織がプログラムの完成度の高さを発揮して完璧な演技を披露し、79.23点の高得点で首位発進した。

 国内大会なので得点は国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自己ベストを1.45点上回る会心の出来だった。技術点42.97点も、演技構成点36.26点も、出場選手中トップの得点をマークし、2位の樋口新葉に4.57点の差をつけた。

「全日本でびっくりするくらいの点数が出ると、その次のシーズンから国際大会でも全日本と同じくらいの点数が出るようになって、年々得点が上がってきているので、それが自分にとって自信になっている。今回、自己ベストを更新できたのはすごくうれしい気持ちだし、今後も点数アップを目指してもっと頑張らないと、と思っています。今日の出来は自分のなかでも結構よかったです。他の人の得点は気にしないタイプで、前の自分を超えるようにやっているので、人と戦うよりも自分と戦うつもりでやっています」

 SPの好結果を坂本はこう振り返った。

 この日のSPでは、2位の樋口から5位の三原舞依までの点差はわずか1点で、代表選考レースは25日のフリーの結果によって大きく左右される混戦となった。そのなかで一歩リードした坂本は、2大会連続五輪出場に向けて「今回は優勝して一発で五輪内定を決めたいです」と、照準を合わせてきた。

 4年前の五輪代表選考会では、「チャンスと運があれば......」という立ち位置だったが、今回はまったく違うと坂本は言う。自分のやるべきことをやれば、五輪代表切符は手に入ると確信しているからだ。

 大事な試合を前に、プログラムの完成度をさらに上げるために、平昌五輪シーズンからタッグを組む振付師のブノワ・リショー氏と一緒にプログラムの手直しをして、ミスのない演技ができるまで滑りこなしてきた。