村元哉中&髙橋大輔、転倒前にあった小さな異変。「ガッと緊張が上がってしまった」 (5ページ目)
【起死回生に挑む】
得点は63.35点だった。ワルシャワ杯で75.87点という自己新を打ち立てただけに、満足できるはずはない。
ただ2位につけ、首位には4.81点差と、十分に逆転可能なスコアとも言える。
ーー逆転は可能か?
記者からの問いに、髙橋は一瞬、逡巡した。しかし、横に座った村元がすかさず「大丈夫」と念を押し、「自分たちの演技に集中したら、結果はついてくるはずで。やるべきことをしっかり」と笑みを作った。前へ突き進むことで、道を切り拓いてきたカップルだ。
そもそも、ここまでたどり着いたことがひとつの快挙である。髙橋に至っては、全く別競技に向き合って、2年目にすぎない。にもかかわらず、その体は筋骨隆々で、土台からアイスダンサーになって、全日本でも異彩を放っていた。
「全力で楽しみたい」
そう言っていたふたりが、その境地に立ち返れたらーー。小説や映画でも描けない物語を現実に作ることができるだろう。12月25日、フリーダンスは『ラ・バヤデール』で起死回生に挑む。
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