カミラ・ワリエワ、「ベストではない」演技で世界最高得点。女子フィギュアはロシア勢の台頭で「国際大会のほうが難しくない」 (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Getty Images

 シニア11年目のトゥクタミシェワは貫録さえ見えるが、五輪だけは縁がない。それだけ、限られた者だけの舞台と言えるだろう。

「(五輪出場がないことを問われて)これだけ長いキャリアを重ねていれば、波があるのは避けられません。ですが、私はまだすべてを見せたと思っていませんし、まだまだ改善できると思っています。今回はどうにか五輪出場となるように、夢を叶えるためにできる限りのことをするつもりです」

 トゥクタミシェワは本拠地にしているサンクトペテルブルクで地元ラジオに出演し、北京五輪に向けた心境をそう語っている。4回転は跳ばないが、短い助走でロケットのように跳ぶトリプルアクセルは強力な武器だろう。何より、異国に誘われるような妖艶な演技は、フィギュア界の華だ。ワリエワも、その境地には及ばない。

 12月9日、大阪で開幕するGPファイナル。ロシア旋風が再び吹き荒れる。

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