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女子フィギュアスケートで最強ロシアの新たな勢力図。GPファイナルの枠を独占する可能性も (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kyodo Images

 そうした勢力を追いかける存在として、今季一気に頭角を現してきたのがシニアデビューとなる15歳のマイア・フロミフだ。2020年世界ジュニアの198.24点で成績は4位と目立つことはなかったが、今年2月のロシアカップファイナルでは、フリーで4回転トーループと4回転サルコウを決めて162.19点を獲得し、合計235.96点でワリエワに2.04点差の2位になっていた。

 その力をしっかり見せたのがGPシリーズ初参戦だったイタリア杯だ。フリーで鋭い回転の4回転トーループを2本決め、中盤の3回転ループの回転不足がありながらも154.31点を獲得して合計226.35点で2位になった。ステップはレベル2とまだ若さが見える演技だったが、細かいミスがなければ230点に乗せる力は十分にある。SPの構成は後半のジャンプが3回転フリップ+3回転トーループでまだ高得点を望めないのが弱点でもあるが、冒頭のダブルアクセルをトリプルにし、フリーで4回転サルコウを入れて4回転3本の構成にできれば一気に点が伸びる可能性も。コーチはトゥトベリーゼだけに、進化には目が離せないものがある。

 また、コストルナヤはスケートカナダでは少し重い滑りで、SP、フリーともにトリプルアクセルが回転不足になって3位になっていた。パーフェクトな演技の復活に期待したいところだ。

 今季も、強力なロシア女子の滑りに、注目が集まる。

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