村元哉中&髙橋大輔は「はちゃめちゃな日本っぽさ」などで観客を魅了。想像を超えた滑りで北京五輪出場へ一歩前進

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

リズムダンスで和の世界観を表現した村元哉中・髙橋大輔カップルリズムダンスで和の世界観を表現した村元哉中・髙橋大輔カップルこの記事に関連する写真を見る 11月13日、東京。グランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯の会場では、日の丸の国旗とふたりを応援するバナーが翻っていた。歓声が禁じられたじれったさもあるのか、なんとか感動を伝えようと心を打つ拍手が鳴った。熱気をまとった観衆は堪えきれず、一斉に立ち上がっていた。

「ごめん!」

 まだ荒い息遣いで、髙橋大輔と村元哉中のふたりはほとんど同時に謝り合った。最後のリフト、わずかにバランスが崩れた。しかし悔しさはあっても、ふたりは笑顔だった。

「自分たちは毎回毎回、100%を出すしかない」

 髙橋はその覚悟で臨んでいた。

「たとえミスがあっても焦らず動じず、落ち着いて滑れるようになってきました。積み上げてきた練習があるので、自信を持って」

 村元は手応えを感じていた。

 その結果、"かなだい"という呼び名で親しまれるようになったアイスダンス、村元・髙橋組は、トータル179.50点で6位に入っている。日本人選手最高位。それは、ふたりがカップル結成から目標にしてきた「北京五輪出場」に一歩近づいたことを意味していたーー。

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