村元哉中&髙橋大輔は「はちゃめちゃな日本っぽさ」などで観客を魅了。想像を超えた滑りで北京五輪出場へ一歩前進 (5ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

ーー(全日本王者である)小松原美里&尊組とNHK杯から全日本選手権まで3連戦となりますが?

 五輪出場をかけたライバル心を探る質問にも、村元は毅然と答えていた。

「私たちは自分たちが練習してきたことを、自信を持って見せられるか。そこに集中しているので、他の組のことまで意識はいっていません。もちろん、同じ大会を戦うわけですが、自分たちのことで精いっぱいで」

 自分たちに矢印を向けた割りきりが、集中力を最大限に高めている。あからさまな競争心は彼らには似合わない。

「1試合1試合、とにかく全力で。選考基準とかはあまり考えずに」

 アイスダンサーになってひと回り体を大きくした髙橋はそう言って、笑顔で目に力を込めた。

 次は11月18日からポーランドで、ワルシャワ杯を戦う。五輪出場が決まる年末の全日本まで、かなだいは自分たちを超えられるか。ふたりは濃密な日々を生きる。

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