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宇野昌磨「打ちのめされようがやりたい」。高難度の構成への挑戦を決意したワケ (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 できないとの思いのほうが大きかった4回転ループを練習で成功させた時、今跳べるジャンプをすべて駆使して試合にぶつけたいと思ったという。「すべてのジャンプを組み込むのは難しいことだが、それを安定してやっているネイサン・チェン選手(アメリカ)のような選手もいるので、そこに挑戦したい」。そういう気持ちになった。

「自分がそれ(すべてのジャンプを組み込む構成)をできる確率は、今は低いと思うけど、どんなに失敗しようが打ちのめされようがやりたい。1シーズンを通して成長し、このプログラムをできるレベルになって世界と戦いたいと思います。以前、世界のトップに立ちたいと考えてストイックになった時には自分を追い詰めてしまい、そこからスケートを楽しみたいと思うようになった。それでもやっぱり、世界で戦いたい、トップに立ちたいと再び思ったので。今までの失敗の経験も踏まえて、自分をしっかりコントロールしていきたいと思います」

 平昌五輪2位、世界選手権2位2回という実績を持ちながらも、新たな道を模索した19−20シーズンは自身を見失ってどん底まで落ち込み、21年世界選手権も4位にとどまった宇野。北京五輪シーズンを、これまで以上の強い気持ちをもって踏み出した。

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