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宇野昌磨「打ちのめされようがやりたい」。高難度の構成への挑戦を決意したワケ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

ジャパンオープン後のアイスショー「カーニバル・オン・アイス」で演技する宇野ジャパンオープン後のアイスショー「カーニバル・オン・アイス」で演技する宇野この記事に関連する写真を見る 4回転5本を入れる構成の難しさを、宇野は「失敗するとドミノのように失敗の連鎖が続いてしまうこと」だという。ノーミスが難しい構成だからこそ、失敗した時の対応が重要だ、と。そこで失敗の連鎖を食い止めるような、安心して跳べるジャンプが必要。フリップやサルコウ、トーループを、自信を持って跳べるジャンプにしていくのがこれからの課題だと考えている。

 ただ今回のジャパンオープンでは、後半の4回転トーループをしっかり跳べたことに手応えを感じた。「僕の場合は、これまで試合で4回転トーループを失敗することが多かったが、このオフの練習やアイスショーでは4回転トーループの連続ジャンプに重点を置いてやってきた。だからこそできたと思うし、試合で生かせたのだと思う」と話す。

 さらに国内で練習するなかで父親にもアドバイスをもらい、体力アップに取り組んだ。「これまでの大会を客観的に見れば、体力は一曲持つギリギリで足りていたと思います。でも新しい構成では今まで以上の体力が必要になってくるので、『もうこれ以上は跳べない』という限界まで毎日練習を積み重ねた。それでどんどん調子は落ちたけど、少なからず体力はついたと思う。後半の4回転フリップや4回転トーループだけでなく、少し軸が斜めになったトリプルアクセルからの連続ジャンプを修正できたのも、体力が十分にあったからこそできたものだと思う」と自信の言葉を口にする。

 4回転4種類で5本の構成に挑むようになったのは、ここ数年跳んでいなかった4回転ループに再び挑戦し始めたからだ。4回転ループは2017年世界選手権で成功させ、平昌五輪シーズンまで構成に入れていたジャンプ。理由ときっかけをこう話す。

「ループはあきらめた期間もあったけど、サルコウが跳べるようになってから調子がいい時は挑戦することもあった。全然跳べる気はしていませんでしたが、昨季の終盤に鍵山優真と一緒に練習をするようになった時、彼がルッツとループを降りているのを見て......。それで僕も4回転3種類だと、時代が流れるにつれて置いていかれるのではないかと思った。優真が僕を尊敬していると言ってくれているからこそ、その期待に応える選手でいたいなと思い、真剣にループを跳びたいという思いを込めて練習を始めました。そうしたら1週間くらいで跳べたので、本当に気持ちは大きいなと思いました」

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